顧客満足度向上のポイント
親しい人にすすめたいか これまで、さまざまな業界が顧客満足を高める取り組みをしていますが、今はそこから一歩進んで、 「顧客ロイヤルティを高める」ことに注力されてきています。 米国のコンサルティング会社ベイン・アンド・カンパニーの調査によると、ある通信会社のサービスを解約した顧客の8割が、 解約の半年前に行った顧客満足度調査では「満足している」という回答をしていたという例があります。 つまり、顧客満足度と売り上げに十分な相関関係が見出せなかったそうです。 そこから、ベイン・アンド・カンパニーのフレッド・ライクヘルド氏のチームがNPS(Net Promoter Score)という、 顧客ロイヤルティや継続利用意向を調査する指標を開発しました。 たとえば、顧客満足度を調査するときのアンケートでは、「この商品・サービスに満足しているか」ということを問います。 しかし、顧客ロイヤルティの調査では、「この商品・サービスを友人や同僚に勧める可能性がどれくらいあるか」ということを問います。 つまり、推奨度が高いということは、顧客本人だけでなく、その友人知人にもサービスを利用してもらえる可能性があり、 売り上げに直結するのです。 顧客に「親しい人に勧めたい」と思ってもらえるようなサービスを考えていく必要があります。 サービスレベルの言語化と共有 お客様が満足するには、まずは基本的なサービスの提供(ホテルであれば、清潔な部屋が用意されている)があることが前提です。 そして、期待していた価値や願望価値の提供(丁寧な接客や、困りごとに対してのスタッフのきめ細かい対応など)によって、満足度が得られます。 これらの価値提供を行うためには、サービスを提供する側が、どのようなサービスを提供したいのか明確にし、 同じレベルでの意識を持つことが重要になります。 自社が求めるサービスレベルをしっかりと言語化して、スタッフ全員で共有しましょう。 個人的にステップアップしたいときにも、それぞれのシーンで必要なサービスレベルを自分なりに設定してみると、 自分の成長が確認できると思います。 顧客接点を大切に 顧客の満足度に何よりも大きな影響を与えるのが、顧客接点です。 例えば、そのホテルを見つけて予約する段階から、実際にご利用になってお帰りになるまでの一連の流れの中での、 さまざまなシーンでのやりとりは、顧客の評価ポイントになってきます。 カスタマージャーニーとも言われますが、この顧客と接するシーンを細かく把握していき、 どの接点の、どのやりとりが満足度に影響を与えているのかを分析することが重要です。 そして、影響の大きな顧客接点には重点的に対応することによって満足度を向上させるのです。 ホテルの場合、長期滞在やイベントでの宿泊でなければ、最大の顧客接点はチェックインとチェックアウトの時ではないでしょうか。 特に、チェックインでの印象は、その滞在中の印象を左右してしまいます。 予約時にいただいた情報がしっかり把握できているか、ご要望が反映されているかということには、 事前期待に応えられるかどうかのポイントですから、細心の注意が必要です。 たとえ、ご希望に十分に添えない場合でも、その理由や別の提案などによって、お客様は満足されることも多々あります。 お客様からの情報発信をしっかりキャッチして、それに応える努力をすること、これが顧客満足度を高めていく上での基本となっていきます。 しっかりと顧客接点を捉えて、お客様が何を期待しているかを常に気にかけることによって、より多くの情報を得られるようになるはずです。 そこで得た情報を活かすことによって、さらなるホスピタリティ向上へと繋がっていきます。 ほんの少しでも上記のことを心に留めながら、自分なりの成果を実感してみてください。